2022.05.20
症状の緩和に向けて ~起立性調節障害と鍼灸治療③~
起立性調節障害についてです。
前回の記事はこちらからどうぞ↓
起立性調節障害の治療は大きく分けて2つあり、「薬物療法」と「非薬物療法」があります。
薬物療法は昇圧薬や漢方薬を服用します。ですが薬物療法だけでは効果は少ないと言われています。
非薬物療法は意識的な生活習慣や行動によるものです。身体機能の維持が大切な役割を持ちます。
「規則正しい生活」や「軽い運動」が体やメンタルにとって大切なのは誰しもそうですが、
起立性調節障害になるとそれが本当に難しくなります。もちろん個人差はあります。
本人も周りも焦ってしまいがちですが、目標は少しずつです。
一気に頑張りすぎてしまうと、どうしてもその反動がきてしまいます。
【頑張る】⇔【ダウンする】
この振り幅をいかに小さくするか、ということも重要なポイントになります。
できる範囲での「規則正しい生活」を目指す上で、いくつかお話させてください。
軽い運動
「軽い運動」ってどんなことを思い浮かべますか?
寝たままできるストレッチでも、
家の中を何往復か歩くだけでも、
一緒にスーパーに買い物に行くだけでも、
ちょっとのお散歩でも、
すべて「軽い運動」です。できるときに少しずつ。
※中には、学校を休んで外出することに後ろめたさを感じてしまうお子さんもいらっしゃるかもしれません。相談しながらできると良いですね。
水分補給
1日に1.5ℓ~2ℓの水分補給が目安となりますが、大人でも忘れがちになります。
500mlのペットボトルを数本用意するなど、目に見える工夫があると良いと思います。
中身の見えるタイプが理想的ですが、お気に入りのタンブラーなどを用意するのも良いかもしれませんね。
気圧の変動
起立性調節障害の場合、気圧の変動に影響されやすくなります。
大人でも気圧頭痛や気圧でのめまいなど、お悩みを抱えている方は少なくありません。
自律神経が乱れている状態では気圧の変動による不調が出やすいのです。
最近は気圧変動のチェックアプリもあるので、そういったものを利用しながらスケジュールを立てるのもおすすめです。
起立性調節障害と診断されたら、お医者さんの指示にしたがって治療を進めていくことになると思います。
症状はからだの成長と共に改善されていく場合が多いですが、療養期間には個人差があります。
長期に至る場合、学校との連携や、親御さんの職場からの理解等も必要になります。
「そんなの怠けているだけ」「甘やかしている」など、
周囲からきつい言葉を投げかけられたお子さんや親御さんは少なくないそうです。
悲しいことに、根性論を投げつけてくる人たちや、起立性調節障害を知ろうともしない人たちが、世の中には存在します。
もっと認知が広がることを願います。
その子に合うか、合わないか
その家庭に合うか、合わないか
どんなものでも、ちょうどよいものを選ぶことが大事だと思います。
経験者や、同じ症状のお子さんを持つ方のお話は、とても参考になりますよね。
ですがあくまでも、「参考」程度がちょうどよいかもしれません。
その人と自分たちのからだ・症状・環境が全くおんなじなんて奇跡はありません。
鍼灸のことも参考程度に頭に入れておいてもらえるだけで大丈夫です。
最後まで読んで下さりありがとうございました。
内容は重複してしまいますが、Instagramでも起立性調節障害のことを投稿しています。
もし興味がある方はそちらも是非🌼