2022.05.18
午前中調子が悪い… ~起立性調節障害と鍼灸治療②~
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こんにちは有気堂鍼灸院です。
今回は起立性調節障害のことをもう少し詳しくお話させてください。
起立性調節障害は見た目では症状がわからないために、精神疾患と誤解されてしまうことが少なくないようです。
もしお子さんが下記のような状態を毎日繰り返していたら、皆さんどんな言葉をかけますか?
・起きられない
・寝たままダラダラしている
・午後からは元気に
・夜更かし、昼夜逆転の生活
私も2児の母ですが、正直に言って、この起立性調節障害という疾患を知らなければ、
「怠けているだけ」と決めつけてしまったり、「学校で何かあったの?」と聞いてしまったと思います。
だってつい最近まで元気に学校に通っていた子が、急に行けなくなるなんて「絶対学校で嫌なことがあったんだ!」
って、思ってしまう…。
でも先ほど挙げた4つの症状には全て理由があります。
・起きられない→低血圧になっているため
・寝たままダラダラしている→起き上がると気分が悪いため
・午後からは元気に→自律神経のうちの交感神経が働き始めるため
・夜更かし、昼夜逆転の生活→1日のリズムが乱れ、寝付けないため
自律神経が乱れ、日中に働くはずの交感神経が夜間に活性化してしまいます。
寝つきが悪くなり、昼夜逆転になりやすいのです。
1日のリズムが5~6時間程後ろにずれているイメージを持っていただくとわかりやすいでしょうか?
わざとそうしているわけではなく、本人の意思ではどうにもならないことが体の中で起こっているのです。
からだがつらいのに、「学校に行かなくちゃ!」というストレスが、さらに病状を悪化させてしまう場合もあるようです。
不登校児の30~40%が起立性調節障害を併発しているとも言われています。
症状によってからだが思うように動かない、
やりたいことができない、
周囲に理解してもらえないなど、精神的にもつらい時期が続きます。
身体疾患ではありますが、精神面のケアもとても重要です。
そして、お子さんをケアするお母さんたちが、自分自身を責めてしまうことが少なくないと聞きます。
いつ治るのか先が見えず、勉強の遅れや将来のことが不安でたまらないですよね。
お母さんのせいではありません。お子さんのせいでもありません。
誰も悪くないんです。
だからこの病気をたくさんの人に知っていただきたいのです。微力ながら、綴ります。
見えない症状だからこそ、家族、学校、親御さんの職場など、周囲の理解が重要になってきます。
頭の片隅でもいいので、記憶していただきたいのです。
いつか、もしかしたら、
自分のお子さん、お孫さん、親戚の子、お友達の子、近所の子、職場の同僚の子…
「あれ?その症状ってもしかして?」っとなる日が来るかもしれません。
起立性調節障害のお子さんを持つ親御さんたちは、たくさん検索をして、本を読み、話を聞き、
様々な情報を取り入れていらっしゃることと思います。
専門外来への通院はもちろん、薬物療法、非薬物療法、鍼灸、整体などなど…
どんなものでも、大切なのは「子供に合う・合わない」「家庭に合う・合わない」ということだと思います。
人によって症状やその度合い、治るまでの期間、家庭環境はそれぞれに違います。
ちょうどよいものを選択できるのがベストですよね。