2022.09.26
東洋医学ってなに?③~気血水とは~
こんにちは有気堂鍼灸院です。
前回に引き続き、東洋医学のことを少しずつお話していきます。
過去分はこちら⇩
前回、東洋医学の特徴として、
バランスに視点を向ける医療(陰陽)
人を自然に見立てる医療(天地人)
心と体を分けない医療(心身一如)
とお伝えしました。
これらを踏まえたうえで、実際にどんな診断をして治療を進めていくのか。
今回は、「気血水」についてお話いたします。
「気血水」は「きけつすい」と読みます。「水」のことを「津液(しんえき)」とも言います。
気・・・生命エネルギー 血・・・血液とそれが持つ精神安定作用 水(津液)・・・血液以外の体液すべて
東洋医学ではこの3つがからだを構成し、主っていると考えます。
もう少し詳しく言うと、下記のようなことです。
気・・・生命の源となるエネルギー(vital energy) 物質ではなく機能(function)
血・・・西洋医学的な意味での血液とその東洋医学的な作用(精神安定、筋肉・眼・皮膚を潤す、月経の安定等の作用)
水(津液)・・・血液以外の正常な体液の総称。(リンパ液、組織間液、消化液)
なんとなくイメージがつかめるでしょうか?
この気血水がそれぞれ「足りない」か「余っている」のかを診てその調整を行います。
例えば、
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生命エネルギーである「気」が足りないと、元気がなくなり、疲れやすくなります。(気虚)
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「気」の滞りがあると、イライラしたり、落ち込みやすくなったり、ストレスに弱くなります。(気滞)
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「血」が少ないと貧血の他、イライラ、不眠、足がつりやすい、眼や皮膚が乾燥する、経血が少ないなどの症状が出ます。(血虚)
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「血」が滞ると、冷えや生理痛の症状が出ます。(瘀血)
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「水」が足りないと、皮膚だけでなく色々な場所が乾燥しやすくなります。(津液不足)
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「水」が滞ると、浮腫みやすくなります。(水毒)
足りない | 余っている | |
気 | 気虚(ききょ) | 気滞(きたい) |
血 | 血虚(けっきょ) | 瘀血(おけつ) |
水 |
陰虚(いんきょ) |
水毒(すいどく) |
足りないものは補い、余っているものは排除する。
東洋医学はバランスを保つ医療です。
次回はもう少し詳しく、それぞれの症状についてお話したいと思っています。